『私の霊を御手に委ねます』(2022.12.11礼拝)

礼拝説教題『私の霊を御手に委ねます』 詩篇31篇1-13節

【主題聖句】

 私の霊をあなたの御手にゆだねます。まことの神 主よ。あなたは私を贖い出してくださいます。(詩篇31:5)

31篇は苦悩の訴えと救いの感謝の詩篇です。まず前半の苦悩の訴えの部分を学びます。5節の「私の霊をあなたの御手にゆだねます」との御言葉から、この詩篇は受難のメシヤ預言の一つと見ることができるでしょう。

  第一に、ダビデは自分の無力さを神様に訴えています。彼は自分の義によらず、神様の義による助けを求めました。私たちも霊的に死んでおり、自分自身の義によっては罪から救われません。ただキリストを信じる信仰による義によって、恵みとあわれみによって救われるのです(ガラテヤ2:16)。

 第二に、ダビデは自分の苦悩を神様に訴えています。彼は敵に取り囲まれて命を狙われ、隣人や親友も離れ去り、「四方八方みな恐怖」な状況で、精魂尽き果てて憔悴し切っていたのでした。イエス様もユダに裏切られ、祭司長たちに捕えられ、死刑に定められ、嘲られ、鞭打たれ、ついには父なる神様に見捨てられて十字架で殺されました(マルコ10:33-34)。それゆえゲツセマネで血の汗を流して苦しみもだえながら、「父よ。この杯をわたしから取りのけてください」と祈らずにいられなかったのです(ルカ22:42、44)。

 第三に、ダビデは自分の霊を神様の御手に委ねました。「霊」とは人間の生命の根幹です。それを委ねるということは、もし死ぬことが神様の御心ならば、それに従うということです。イエス様も「わたしの願いではなく、御心の通りにしてください」と祈られました。そして最終的に、十字架上でご自分の霊を神様の御手に委ねて息を引き取られたのでした(ルカ23:46)。

  第四に、ダビデは神様の真実によって贖い出されたと告白しています。それは神様がダビデの従順な信仰を受け入れられたからです。イエス様も、その従順のゆえに死より復活させられたのでした(ピリピ2:8-9)。救われたダビデは、むなしい偶像につく者を憎んで主に信頼し、主の恵みを楽しみ喜ぶと言っています。イエス様に罪を贖われた私たちもそうしましょう。

三谷 浩司 牧師