『主の御腕に頼る』(2023.5.28礼拝)

礼拝説教題『主の御腕に頼る』 詩篇44篇1-8節

【主題聖句】
自分の剣によって 彼らは地を得たのではなく 自分の腕が 彼らを救ったのでもありません。 ただあなたの右の手 あなたの御腕 あなたの御顔の光が そうしたのです。 あなたが彼らを愛されたからです。(詩44:3)

聖書に書かれている神の民の歴史は、私たちに真の神様への堅い信仰を教えるためであり、聖書が与える忍耐と励ましによって、私たちがどんな困難の中にあっても希望を持ち続けることができるためです(ローマ15:4)。

この詩篇の9節以降を見ると、作者は極めて困難な状況の中に置かれていたことが分かります。そのような状況下において彼が最初にしたのは、主のご自分の民に対する愛と救いの御業を歴史的に回顧することでした。

イスラエルの民がエジプトを脱出し、カナンの地を占領したのは彼らが強かったからではありません。エジプトの軍隊は当時の世界最強であり、カナンには背が非常に高く力の強い先住民がいました(民13:32)。それに対して彼らはほとんど武器を持たず、しかも女性や子どもや老人を抱えていました。しかし神様が彼らを愛され、その力強い御腕で彼らを救われ、彼らに約束の地を得させてくださったのでした。万軍の主が彼らの味方であられたので、誰も彼らに敵対することはできなかったのです(ローマ8:31)。

この作者も、同じ神様が自分を愛しておられ、常に共にいてくださり、必ず困難から救い出してくださることを堅く信じました。そして自分の力や武器に頼ることをせず、ただ主の力強い御腕に頼ることにより、目の前に迫って来る大きな困難を押し返し、それに打ち勝とうとしたのでした。

私たちも大きな困難や誘惑に直面することがあります。その時はイエス様が十字架の死と復活によって死と悪魔に勝利され、私たちを罪と永遠の滅びから完全に救い出してくださったことを思い起こしましょう。そして主の御腕に頼ることで勝利を得ましょう。しかしもし私たちが自分の力に頼るなら主は私たちを助けられません。それは自分を誇ることになるからです。私たちの救いの望みを置くのは主の御腕だけです(2コリント1:8-10)。

三谷 浩司 牧師