『聖なる山シオン』(2023.7.2礼拝)

礼拝説教題『聖なる山シオン』 詩篇48篇

【主題聖句】

高嶺の麗しさは 全地の喜び。 北の端なるシオンの山は大王の都。(詩48:2)

「シオン」とはもともと「要害」という意味で、エブス人が住んでいたエルサレムの町があった山のことですが、ダビデがこの地を攻め取ってイスラエルの王都としました(2サムエル5:6-7)。それは主のご計画であり、神様はこの地を選ばれてご自分の名を永久に置く場所とされたのです(2列21:7)。


第一に、そこは神様の聖なる御住まいです(詩132:13)。それでダビデはエルサレムに神の契約の箱を運び入れて安置し(2サムエル6:17)、ソロモンは北の端に神殿を建てました(1列8:13)。シオンの山は標高800メートル程の小高い丘で、富士山のような美しい形状をしているわけでもありません。そこが「高嶺の麗しさ」と言われているのは、偉大なる全世界の大王である神様の御住まいとして、一切の罪汚れや偶像から聖別された場所であり、そこにおいて神様がご自分の輝く栄光を現わされるからです(イザヤ24:23)。


第二に、そこに住む神様の民は安全です。シオンの要害は堅固であり、難攻不落でしたが、それでも完全ではありませんでした。実際にダビデは攻め取ることができ、バビロン軍によって破壊されたのでした(2歴36:19)。しかしそこに住まわれる神様ご自身が砦となられるなら、大国の連合軍であろうと最強の船団であろうと、いともたやすく打ち砕かれます。そしてエルサレムを神様の民の住まう都として、永遠に堅く立てられるのです。それが完全に実現するのは新天新地における天のエルサレムですが(ヘブル12:22)、新約時代の神の家である教会においても実現します(1テモテ3:15)。

敵である悪魔は教会を倒そうと常に攻撃を仕掛けて来ます。しかし神様が恵みと義の右の手の力によって永遠に教会を守り導いてくださるのです。その恵みを一つ一つ数えて心に留め、神様を喜んで誉め讃えて礼拝し、後の世代の人々にも語り伝えること、それがシオンに住む者の役目です。

三谷 浩司 牧師