『人による救いは空しい』(2023.10.15礼拝)

礼拝説教題『人による救いは空しい』 詩篇60篇

【主題聖句】
どうか敵から私たちを助けてください。人による救いはむなしいからです。(詩60:11)

ダビデの「ミクタム(黄金詩)」の最終です。表題に「さとし」「教えのため」とあるので教訓的な内容であることが分かります。背景としては、歴代誌上18章に記されているダビデが周辺諸国との戦いに次々と勝利した時のこととされていますが、その勝利の秘訣がこの詩篇で教えられています。

第一に、神様は愛する御民を懲らしめられる方であるのを忘れないことです(黙3:19)。ダビデたちは最初から勝利していたわけではありません。そもそもイスラエルは周辺諸国よりも弱く、かつてはモアブにも貢ぎ物を送っていました。それはイスラエルが主の目に悪であることを行ったからです。しかし彼らが悔い改めて主に助けを求めると、主はひとりの救助者を起こされました(士3:12,15)。そのように神様の懲らしめによる敗北や苦難は神の民を悔い改めに導くためであり、それなしに勝利はありません。

第二に、人による救いはむなしいことを知ることです。ダビデがイスラエルの民の人数登録をした時、それが罪となりました(2サムエル24:2、10)。なぜならそれは神様に頼らず、軍隊の数や強さに頼ることになるからです。神様はイスラエルを苦しめるモアブもエドムもペリシテも、いとも簡単に倒すことができ、それらの国々に奪われた領土を必ず取り戻してくださるお方です。私たちが恐れ、頼り、救いを求めるべきは神様だけです(詩20:7)。

第三に、神様にあって力ある働きをすることです。神様はご自分を恐れる者に、戦いのための「信仰の旗」を授けてくださいます。その旗印は主の十字架であり、それをひらめかせることによって私たちが万軍の主である神様の兵士であって、神様が共に出陣してくださることを表明するのです。またその旗は私たちの信仰を強めて困難と戦う勇気と力を与え、私たちの足で敵を踏み砕かせるのです(ローマ16:20)。信仰こそ勝利の最大の秘訣です。

三谷浩司 牧師