『力は神のもの』(2023.11.12礼拝)

礼拝説教題『力は神のもの』 詩篇62篇

【主題聖句】
神は一度告げられた。 二度私はそれを聞いた。 力は神のものであることを。(詩篇62:11)

神様は私たちに一つの口と二つの耳をくださいました。それは語ることよりも聞くことが2倍大切だと言うことでしょう(ヤコブ1:19)。「魂が黙る」とは、自分の思いを捨てて、ただひたすら神様の御声に耳を傾け聞き従おうとする態度です(1サムエル3:10)。それは、救いは自分の力やこの世のものからではなく、ただ神様から来るという確信から出る謙遜さです。「岩」や「やぐら」は自分を守ってくれる神様の力と強さを表します。ゆえにダビデは、どんな困難な状況でも大丈夫という確信を持つことができたのです。

神様に信頼する自分と比べ、自分を襲おうとしている敵は神様の前では何の力もない、もろい城壁か石垣のようです。しかし、その心は高ぶりと悪意に満ちています。ダビデは同じ言葉を二度繰り返すことにより神様の約束を再度自分に言い聞かせて念を押しているように思えます。そうして御言葉を心の中で反芻することにより、力は神様のものであり、神様は恵みに満ちておられるお方であるという確信と信頼が深まって行くのです。神様に頼り切ることを学んだ人にとって、人の力はあまりにも力のない弱々しいものであり、それに頼ることはむなしいことです(詩篇108:12)。

ですから私たちは、神様の約束の御言葉を繰り返し聞くべきです。力と恵みが神のものであることを確信し、心に平安が与えられるまで何度でも心の中で反芻すべきです。私たちは弱い者ですから、一度御言葉を聞いただけではなかなか確信に至らないことが多いです。一旦は御言葉に信頼しても、困難があるとすぐに信頼を失って、自分の考えに固執してしまうものです。ならば困難があればあるほど、神様の約束の御言葉を自分の心に繰り返し聞かせましょう。御言葉には力があります。必ず私たちの心から恐れを取り除き、全き信頼と確信による平安を与えてくれます(詩119:50)。

三谷浩司 牧師