『人の思い計りは空しい』(2024.11.3礼拝)
礼拝説教題『人の思い計りは空しい』詩篇94篇1-11節
【主題聖句】
主は 人の思い計ることが いかに空しいかを 知っておられる。(詩篇94:11)
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会
「神が存在するのなら、なぜ戦争は起きるのか?」という疑問を教会に投げかける人は少なくありません。確かに歴史上「宗教戦争」と呼ばれる悲惨な争いが何度も起きました。しかしそれらの原因のほとんどが領土争いであり、宗教はその争いを正当化するための口実とされただけです。
戦争に限らず、暴力・犯罪・差別・貧困といった諸悪の根源は、人の抱える「エゴ(自己中心、自分本位)」の性質です。それこそが人が創造主なる神から離れたことにより生じた罪なのです(コロサイ1:21)。本来、人は「神の似姿」として互いを愛し、助け支え合い、一つとなって生きる存在として造られました(創1:26)。しかし人が神を裏切り、自分勝手に生きる道を選んで「神の似姿」を失ったために、互いに憎み合って、欲望のまま相手から奪い取る獣にも劣る存在となってしまったのです。それでも人類は神から与えられた知性を用いて文明を築き、幸福と快楽を追求してきました。そしてそれを実現するために、今や地球環境を回復不能なまでに破壊し、また地球を何個も消滅できるほどの核兵器を作っているのです。
それにもかかわらず「まだ大丈夫。自分たちで何とかできる」と楽観的に考えている人類は何と愚かな存在なのでしょうか。全知・全能なる神はそうした人の思考や計画がいかに空しいかを知っておられます。そして神は完全に正しい方であるために、悪を行ったすべての人をさばかれ、一人一人の行いに応じた復讐をなされるのです(ローマ2:6、2テサロニケ1:8-9)。
しかし神は人類を愛するゆえに、御子イエス・キリストの十字架の死と復活による救いの計画を実行して下さいました(ヨハネ3:16)。そして聖書を通してすべての人に「福音」を知らせ、神を離れて自分勝手に生きてきた罪を悔い改めて救いを得るようにと呼びかけておられるのです(使3:19)。
三谷浩司 牧師