『主の御恵みの大きさ』(2025.2.2礼拝)

礼拝説教題『主の御恵みの大きさ』詩篇103篇6-14節

【主題聖句】

天が地上はるかに高いように 御恵みは 主を恐れる者の上に大きい。(詩103:11)

聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会

6節以降はイスラエルの歴史を振り返り、神様から与えられた恵みの大きさを告白したものです。神様は義なる方ですから、エジプトで奴隷として虐げられていたイスラエルの民をモーセを用いて救い出され、エジプトを厳しくさばかれました。そしてシナイ山で律法を与えてご自分の宝の民とし、乳と蜜の流れる約束の地カナンへと導き入れようとされました。しかしイスラエルの民は神様に背き、逆らい続けたのです(申9:7)。
それにもかかわらず、神様は「あわれみ深く、情け深く、怒るのに遅く、 恵み豊か」であられる方なので、彼らの罪に従って扱うことをせず、咎に従って報いることをされず、彼らの罪と咎を赦されました(出34:6-7)。神様は、彼らが飢えて「パンがない」とつぶやけば天からマナを降らせ、渇いて「水がない」と不平を言えば岩から水を出させました(ネヘミヤ9:15)。
なぜ神様は、天が地上はるかに高いような人知を超えた大きな恵みを罪深いイスラエルの民に施されたのでしょうか。それは神様が、彼らを神のかたちに造られた高価で尊い存在として愛しておられ(イザヤ43:4)、かつ彼らが神様から離れたらあっという間に滅んでしまう弱くて愚かな「土のちり」にすぎないことを心に留めてくださったからです(創3:19)。
神様は私たちをも同様に扱われます。それで私たちの背きの罪を赦すために、恵みによって御子キリストを与えてくださいました(ローマ4:25)。キリストを信じた者の罪は、完全に神様の目から離されて義と認められます。さらに天の父なる神様は私たちをご自分の子どもとして愛され、あわれんでくださいます。だからこそ私たちは神様を恐れなければなりません(詩130:4)。神様の恵みは主を恐れる者の上に大きく、主を恐れずキリストを信じない者の上には神様の怒りがとどまるからです(ヨハネ3:36)。

三谷浩司 牧師