『喜びながら御業を語れ』(2025.5.4礼拝)

礼拝説教題『喜びながら御業を語れ』詩篇107篇1-22節

【主題聖句】

感謝のいけにえを献げ 喜び叫びながら主のみわざを語れ。 (詩篇107:22)

聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会

107篇は捕囚からの帰還の喜びと主への感謝を歌ったものです。「主に感謝せよ。その恵みのゆえに。人の子らへの奇しいみわざのゆえに」また「この苦しみのときに 彼らが主に向かって叫ぶと 主は彼らを苦悩から救われた」との言葉が四回も繰り返され、主が奇蹟の御業をもって幾度もご自分の民を苦難から救われたことが具体例をあげて証されています。今日はその前半部分から主の救いの御業の恵みの豊かさを学びましょう。
第一に、さすらい人の救いです。これは捕囚時代の霊的な荒涼状態を表しています(ホセア9:17)。神様から離れているすべての罪人は霊的に迷い出ています(ローマ3:12)。イエス様はそのような罪人を一人ずつ捜して救い出され(マタイ18:12)、飢え乾いた魂を恵みで満ち足らせてくださるのです。
第二に、囚人の解放です。彼らは罪による「闇と死」という「鉄かせ」に縛られ、「青銅の扉」「鉄のかんぬき」で閉じ込められて脱出不可能でした。しかし神様に不可能はなく、実際にキュロス王を用いて彼らを捕囚から解放されました(イザヤ45:2)。同様にイエス様は十字架の死と復活の贖いの御業により罪と死の力を打ち砕き、私たちを滅びの束縛から解放して神の子どもとしての栄光の自由にあずからせてくださいます(ローマ8:21)。
第三に、病者の癒しです。聖書ではしばしば病は罪への刑罰と考えられています。しかし罪そのものが「永遠の死に至る病」であり、全人類がその病にかかって瀕死の重傷を負っています。その病を癒せるのは神の御子イエス様ただ一人です(マタイ9:35)。そしてイエス様は私たちに福音を送って罪の病を完全に癒し、「滅びの穴」から助け出してくださるのです。
イスラエルの民は幾重もの主の救いの奇しい御業を喜んで感謝すると同時に、その御業を後世に語り告げました。私たちもそうしましょう。

三谷浩司 牧師