『神に救いを求めよ』(2025.5.18礼拝)
礼拝説教題『望む港に導かれる主』詩篇107篇23-43節
【主題聖句】
どうか敵から私たちを助けてください。人による救いはむなしいのです。(詩篇108:12)
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会
108篇はダビデの作とされる57篇7-11節と60篇5-12節を組み合わせたものです。捕囚時代に編纂されたと思われますが、そうした理由を考えつつ、二つの詩篇が合わさって織りなすハーモニーを味わいましょう。
第一に、神の民が受ける試練は繰り返されます。ダビデはそれぞれの詩篇を大きな試練の中から神が恵みによって救い出してくださった経験に基づいて歌いました(57篇,60篇表題)。捕囚されているユダの民は神が同じ救いの恵みを施してくださると信じ期待して、後半部分を合わせた詩篇を歌ったのでしょう。新約時代の教会において、またクリスチャン一人一人の人生においても試練は繰り返されます。ですからこの詩篇は私たちを励まし、希望を持ち続けさせるためでもあるのです(ローマ15:4)。
第二に、救いを与えてくれるのは唯一まことの神だけです。ダビデは武器に頼らず万軍の主に拠り頼んであのゴリヤテに勝利しました(1サムエル17:45)。ユダの民はエジプトに拠り頼んだためにバビロンに敗北し捕囚されて行きましたが、捕囚の地で神に拠り頼むように変えられたのです。人はどんなに知恵や力や財産があろうとも、罪と死から魂を救うことは絶対にできません。それができるのは神だけであり、私たちの最大の敵である死と悪魔を踏み砕いて滅びから救ってくださいます(ローマ16:20)。
第三に、あきらめないで神に祈り続けることが大切です。「暁を呼び覚ます」とは救いの夜明けが早く来るように神の御名を呼び求め続けることです。たとえ自分が神に拒まれて、神が共におられないいと感じられるような状況であっても、神の恵みを信じて祈り続けることです(ルカ18:1)。神はご自分に信頼する者を、誰も決して失望させられません(ローマ10:11)。
これらを心に留めていれば、私たちは試練の中でも心が揺るぐことはなく、心の底から主をほめたたえ、力ある働きをすることができます。
三谷浩司 牧師