『主は大いなることをなされた』(2025.11.2礼拝)

礼拝説教題『主は大いなることをなされた』 詩篇126篇

【主題聖句】

主が私たちのために大いなることをなさったので 私たちは喜んだ。(詩篇126:3)

聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会

 

 この詩篇はバビロン捕囚から解放されてエルサレムに帰還したユダヤ人たちによって歌われたものと考えられています。エレミヤによる解放の約束の預言が与えられていても(エレミヤ29:10)、70年もの長きに渡る捕囚生活は、もはや預言の成就を期待することができないようにさせました。
 それだけに預言が成就したことは、彼らにとって夢を見ているような信じがたい出来事だったのです。それを事実だと実感できた時、彼らの口は笑いと喜びの叫びで満たされました。それは彼らを見た諸国の人々が「主は彼らのために大いなることをなさった」と言うほどの喜びでした。
 しかしこの時の彼らの実情は過酷でした。エルサレムは神殿も城壁も町々も破壊されたまま、土地は荒れ果てており、彼らの帰還を喜ばない異国人たちが復興を妨害したからです(エズラ4:4)。それゆえに彼らは主に拠り頼み、大いに期待して祈りました。乾季には涸れていても雨季には水が溢れるネゲブの流れ(ワジ)のように元通りに復興させてくださいと。
 彼らは今は出て行って涙と共に種を蒔かねばならない時であることを知っていました。しかしやがて神様が恵みによって豊かな収穫を与えてくださり、束を抱えて喜び叫びながら帰って来ると固く信じたのです。
 私たちの教会は宣教を開始して30周年を迎えました。その間に教会が傾くほどの試練も何度かありました。しかし主は私たちのためにその都度「大いなること」をなされ、私たちの教会を守り、導き、復興させてくださり、今に至っているのです。きっとこれからも教会は試練を受けることでしょう。しかし涙と共に福音の種を蒔き続けるならば、神様が必ず教会を守られ、魂の収穫を豊かに与えてくださり、私たちを笑いと喜びの叫びで満たしてくれるに違いありません。主に期待しましょう。

三谷浩司 牧師