『弱者と孤児のためにさばけ』(2024.7.28礼拝)
礼拝説教題『弱者と孤児のためにさばけ』詩篇82篇
【主題聖句】
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会
弱い者とみなしごのためにさばき 苦しむ者と乏しい者の正しさを認めよ。(詩篇82:3)
この詩篇は不正なさばきを行っている地上の権威者たちに向けられたものです。神様は彼らの不正を知っておられ、必ず正しくさばかれます。なぜなら神様こそが真に正しいさばき主であられるからです(詩75:7)。
神様が地上に国王、大統領、首相といった権威者を立てられたのは、彼らが神の代理者として正しいさばきを行い、孤児や障碍者や貧者等の社会的弱者を守るためです。それゆえ「神のことばを受けた人々」である彼らは「神々」「いと高き方の子ら」と呼ばれたのです(ヨハネ10:34-35)。事実キリスト教国では歴史的に社会的弱者の保護にいち早く取り組みました。
このことは「王権は神から国王に授けられたもので、その権力は神聖で絶対的なものである」とするいわゆる「王権神授説」とは大きく異なります。確かに彼らの権威はすべて、神様から与えられたものですが(ローマ13:1)、それを乱用することは許されていません。神様は彼らがご自分を恐れて御言葉に従った正しい政治をすることを願っておられます。もし彼らがそうしなければ、神様は彼らから権威を取り去られます(1サムエル15:23)。
にもかかわらず地上の権威者たちの間に不正がはびこるのは、空中の権威を持つ支配者である悪魔の影響によるものです(エペソ2:2)。まことの神様を知らない彼らは罪の暗闇の中を歩き回り、人々を虐げています。そして世の終わりの時、神様に逆らう地上の王たちはみなハルマゲドンに集結し、神様のさばきを受けて滅ぼされることになります(黙16:16)。
イエス様を信じて救われ「神の子ども」とされた私たちクリスチャンはみな、キリストと共に王として地上を治めることになります(黙20:6)。ならば私たちは「イエス様の代理人」として正義を行い、弱者を守るべきです。それが「福音に生きる」ということではないでしょうか(ヤコブ1:27)。
三谷浩司 牧師