「善を行う者は一人もいない」(2022.07.10礼拝ライブ配信)
礼拝説教題『善を行う者は一人もいない』詩篇14篇
【主題聖句】
すべての者が離れて行き だれもかれも無用の者となった。
善を行う者はいない。 だれ一人いない。 (詩篇14:3)
人間の本性は「善」であるという「性善説」と、「悪」であるという「性悪説」があります。
神様が最初に造られた世界は人間を含めて「非常に良かった」と聖書は教えています(創1:31)。
しかし最初の人間アダムとエバが神様の命令に背いたことによって罪が世界に入り、
すべての人間は生まれながらにして罪の性質を持ち、罪を犯す存在となってしまいました(ローマ5:12)。
この詩篇の1-3節はパウロがロマ書3章10-12節に引用していますが、
人間は創造主なる神様から離れたことによって霊的に死んでおり、
自我が確立するに連れて心の中で「神はいない」と言うようになり、
道徳的に腐敗して行きます。
たとえ人間の目には正しい人のように見えても、
神様の目には神様を尋ね求めない悪人であり、善を行う者は一人もいないのです。
そのような悪に満ちた地上をご覧になられた神様は心を痛められ、
ノアの時代に大洪水によって一度は地上を滅ぼされました(創6:5-7)。
ただし、ただ一人神様の心にかなう正しい人であったノアとその家族8人だけは滅びを免れて、
人類は再スタートを許されました。
しかし人間は瞬く間に堕落して神様から離れて行き、
次第に真の神様を忘れて偶像を拝むようになって行きます。
そして人間は神様を喜び、神様の栄光を現すという本来の創造の目的を失い、
神様にとって無益な存在となってしまったのでした。
それでも神様は人類を愛し、永遠の火による滅びから一人でも救い出すために、
この罪に満ちた地上に御子イエス様を救い主として遣わしてくださいました(ヨハネ3:16)。
そしてイエス様は、罪の奴隷となって滅びに向かっていた私たちを
十字架の身代りの死によって贖い、すべての罪を赦し、
復活によって永遠のいのちを与えて神様の子どもとしてくださるのです。
イエス様を滅びからの避け所、救い主と信じる人を神様は「正しい者」と見なし、
共にいてくださいます。その意味で教会は「正しい者の一族」です。
三谷 浩司 牧師