『私は旅人、寄留者』(2023.4.16礼拝)

礼拝説教題『私は旅人、寄留者』 詩篇39篇

【主題聖句】
私は あなたとともにいる旅人 すべての先祖のように 寄留の者なのです。(詩39:12c)

17世紀にジョン・バニヤンという人が書いた「天路歴程」という聖書の次に多くのクリスチャンが読んだと言われる小説があります。主人公の「クリスチャン」は「破滅の町」から出て「天の都」を目指して旅を続けます。彼は家族の反対や周囲の嘲笑を受けながら「落胆の沼」「虚栄の市」「疑惑の  城」「破壊者アポルオンとの死闘」といった多くの試練に打ち勝ち、ついに天の都へたどり着きます。それはまさに私たちクリスチャンの人生です。 

ダビデも自分を「旅人」「寄留の者」と呼んでいます。そして地上における様々な困難を耐え忍んで信仰者としての生涯を最後まで全うするには、神様が共に歩まれて、必ず救い出してくださるという信頼と希望が不可欠なことを告白しつつ、信仰者の道を踏み外さないための知恵を教えています。

第一に、言葉で罪を犯さないように気をつけることです。人生で大切に積み上げてきた良きものが、たった一言の失言で台無しになることもあります。新約聖書も、正しくない言葉は「火」のようで「人生の車輪を燃やす」と警告しています(ヤコブ3:5-6)。それゆえダビデは沈黙を守り続けました。しかし人には限界があります。その時には神様に打ち明ければ良いのです。

第二に、この世の人生の虚しさ、はかなさを悟ることです。多くの人が、目に見えるこの世の楽しみだけを追い求めて生きています。しかし人生は瞬く間に過ぎ去り(詩90:10)、たとえ地上で多くのものを得、それを蓄えたとしても死によってすべてを失います(ルカ12:19-20)。だからこそ永遠になくならない「まことのいのち」を求めることが大切なのです(1テモテ6:19)。

第三に、私たちの国籍は天にあり(ピリピ3:20)、地上では旅人、寄留者であるのを忘れないことです。すなわち地上のものに執着することなく、いつ主の御許に引き上げられても良いように備えておくことです。そうすればダビデのように死期が迫っても「ほがらか」でいられます(ヘブル11:13)。

三谷 浩司 牧師

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