『神よ、いつまでですか』(2024.4.21礼拝)

礼拝説教題『神よ、いつまでですか』詩篇74篇1-11節

【主題聖句】

神よ なぜ いつまでも拒み 御怒りをあなたの牧場の羊に燃やされるのですか。(詩篇74:1)

74篇は捕囚後にバビロンで歌われたものだと考えられます。この時ユダの民は遠くバビロンで奴隷とされており、エルサレムの神殿も城壁も破壊されて廃墟となったままでした(ネヘミヤ1:3)。そうした状況を憂いた捕囚民であるアサフの子孫たちは、この捕囚はいつまで続くのか、またいつ神様はエルサレムを回復させてくださるのかと切実に祈ったのです。

イスラエルとユダの民は神様によってエジプトの奴隷状態から贖われ、約束の地を譲り受けた選びの民です。それは彼らを通して神様の栄光が現わされるためでした。それゆえ神様は彼らを「牧場の羊」のように守り養われました。そしてエルサレムは神様の名が置かれた聖なる都でした。

しかし彼らは背きの罪のために神様に拒まれ、御怒りによってエルサレムの神殿と町は破壊されて火で燃やされ、ユダはことごとく征服されて民はバビロンに捕囚されて行きました。ですが、ユダの民が再び奴隷とされて辱められ、聖都エルサレムが廃墟となったままでいることは、敵である異教徒たちに唯一真の神様の御名を侮らせることになります。だから、あたかも手を引っ込めて懐中に突っ込んだまま永久に何もしてくださらないように思える神様に、早く救って欲しいと訴えたのでした。

バビロンでは、捕囚がいつ終わるかを知らせてくれる預言者はおらず、神様の臨在のしるしも見られませんでした。しかし神様は捕囚の期間を70年とあらかじめ定められて預言しておられました(エレミヤ 29:10)。その約束の通りにバビロンはペルシアに滅ぼされ、ユダの民
は捕囚から解放されてエルサレムに帰還し、神殿と城壁を再建したのでした(エズラ9:9)。

そのように神様の救いは遅れることはありません(イザヤ46:13)。たとえ困難が長引いたとしても、主の御言葉の約束を信じて祈り続けましょう。

三谷浩司 牧師